黒糖の出来るまで

2005年与那国町に田植えの手伝いに行った折り撮って来た黒糖の出来るまでを開きます。
黒糖はミネラル分がタップリと含まれ昔は貴重な物でしたが最近は健康を意識して食べる方が増えてきました。

ここは工場の正面です。
農家が刈り取ったサトウキビはダンプで工場まで運び計量をすませ糖分の検査をしててここに滞積します。工場が順調に可動している時はこの様な状態ですがトラブルで工場が止まった時などは置ききれない程キビが集まってきます。
ヤードに積まれたキビはタイヤショベルで運ばれ大型コンベアーに乗せられ工場の中に入ってきます。ここではまだ大きい束のままですから中央部分の縦の爪の付いたコンベアーで一定量をそぎ取る様にカッターに向かうコンベアーに落としていきます。
この外側では援農隊が束の紐を切ったり
つまらないように崩したりと頑張っています。
もちろん重機の運転も交代でやっています。
コンベアーに乗ったキビは中央のコンベアーで下にしっかりと押さえられここでカッターで20cm程の長さに切られます。
この場所も大量に入ったキビで詰まったり
異物が入ってカッターの刃が欠けたりとトラブルが有ります。
カッターで切ったキビは風を利用して葉っぱを飛ばし脱葉機の所に来ます。
ここはキビの節に付いてる葉っぱを機械でそぎ取っています。同時に土の付いた者、石等を取り除いています。
脱葉の終わったキビは又コンベアーに乗り
一回目の粉砕の場所へ移動していきます。
登り切った下に粉砕機があり、粉砕されたキビは又コンベアーにのり次の行程に向かいます。
登り切った所にもう一台の粉砕機が有りここで再度細かく粉砕されいよいよ圧搾機に向かいます。
ここから下3枚が圧搾の現場です。
出て来たキビはローラーで圧搾され
甘ーいキビの汁がしたに出て来ます
ここでの仕事は詰まらないかの監視です
只ひたすら回っているローラーを見ているだけですから居眠りをしないようにするのが大変らしいです。
ローラーは2箇所合計6本で完全に搾り切ります。搾ったカス(バガス)は手前のコンベアーに乗りボイラー室へと向かいます。
搾った汁はポンプで2階に送られます。
ここから3番目の行程に入ります
ここはボイラー室、重油とバガスでまかなっています。
今はほぼ自動になっていますが昔はほとんど手動でやっていたため大変に忙しくて神経の休まる暇が無い様でした。
搾った汁はポンプでここに送られこのドラムを通して完全に汚物が取り除かれます。
いよいよ濃縮缶です。
ここでは蒸気を利用して煮詰めています。
甘い匂いが充満しており辛党には苦痛の現場です。
いよいよ出来上がる黒糖はこのタンクから出て来ます。
熱でどろどろになっている黒糖はこのスクリュウの様な所を通って行く間に扇風機で冷やされ、適度の粘度になって最後の行程に行きます。
上から出て来た黒糖は一定量を量り箱に詰めていきます。一箱には一回に3kしか詰めません、それ以上詰めると熱で黒糖が焦げてしまうそうです。
箱は黒糖を少しずつ詰められ長いコンベアーの上を移動している間に冷やされ又次の黒糖を詰めていきます。

この詰場もすっかり変わり近代化されています。以前は出て来た黒糖を台車に乗せ10m以上離れた箱詰めの場所まで走っていました、冷えると固くなるので戦場のような忙しさだったようです。

私はずーっと農家に入っていましたので仕事が終わった帰りなどに覗く程度でした。
農家のキビ刈りを辞めてからは重機に乗っていましたので、まあそれなりの仕事をしていましが、やっぱり汗水流した農家が最高でした、畑で飲む泡盛も格別にうまかった。
未だに年1度集まる時の顔ぶれは畑で汗を流した人達です。
ここは最近始めたかち割りの作業場です。
袋詰めになった一口大の四角い小さな黒糖を手作業で作っています。
昔はステンレスの板の上に薄く延ばし固くなってからスコップで叩いて割ってました。
もの凄い音を立ててそれはそれは凄まじかったです。

与那国の黒糖は他のと比べるとチョッピリ塩味がしますが、これは台風などで潮風を被った為です、その分ミネラル分が多く栄養価に富むと言われています。
大量にほしい場合は工場に注文すれば30kゆうぱっく込みで1万円位で送ってくれます。
一寸多すぎますかね、一箱には3kの黒糖が10枚入っています。
JAが合併してから工場もすっかり変わり食品工場としての形をしてきました。
従業員も入る時は靴を履き替え、白衣に着替え、又工場内の無断立ち入りは禁止されています
この写真も工場長立ち会いの下ヘルメットを被り撮影してきました。